資金繰り㊲ 過去に別会社で貸倒れを起こしている場合
銀行から融資を受ける際には、いくつかの注意点があります。
今回は、過去に別会社で貸倒れを起こしているケースについてお伝えします。
これは、過去に代表取締役社長として別の会社を経営していたけれど、経営に行き詰まって銀行か
らの融資を返済できなくなり貸倒れを起こしてしまったケースです。
この融資が信用保証協会の保証付き融資であった場合は、融資の返済ができなくなった会社の代わ
りに信用保証協会が銀行に融資の返済(代位返済)をしています。
その後、貸倒れを起こした会社の代表取締役社長が、再起のために新たに会社を設立するとき、自
分は表に出ることができないということで、出資や役員を信頼のおける親族や知人にお願いし、自
分は従業員として会社の経営に携わるということがあります。
そして、この会社が銀行から融資を受けるために、信用保証協会の保証付き融資を申し込んだとき
に問題が起こります。
新会社の代表取締役社長や役員は名前だけで、「実質的な経営者」は、過去に代位返済を受けた会社
の代表取締役社長であると判断されたときは、審査が通りません。
信用保証協会に過去に代位返済された記録が残っており、自身は、役員や株主になってなくてもその
会社に関わっている、経営に関与していると判断されれば、新会社であっても保証協会付きの融資を
受けることはほぼ不可能となります。
これは政府系金融機関でも同様です。
こうなった場合は、過去に貸倒れを起こした代表取締役社長は新会社から手を引くか、知人または親
族から借入をすることになります。