電子帳簿保存法 事務処理規程の作成(改ざん防止規程)

電子取引保存については、「可視性の原則」「真実性の原則」が求められています。

費用をかけずにこれらの要件を満たす組み合わせは、下記の通りとなります。

  1. 可視性の原則
    ①モニター、操作説明書等の備え付け
    ②規則的なファイル名を付け保存(検索機能の確保)
  2. 真実性の原則
    訂正削除の防止に関する事務処理規程の備え付け

基本的に電子取引で授受した電磁的記録の訂正、削除は禁止です。
訂正または削除が必要な場合には、再発行等が必要となります。

ただし、業務上やむを得ず訂正または削除をする必要がある場合は、一定のルールに従うことに
より訂正、削除をすることが認められています。
例えば、取引年月日の入力漏れがあり、相手方から追加記載の依頼があった場合等です。

この一定のルールを定めたものが、事務処理規程となります。

事務処理規程については、国税庁のホームページからダウンロードできます。

(法人の例)

電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法の特例に関する法律第7条に定められた電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務を履行するため、○○において行った電子取引の取引情報に係る電磁的記録を適正に保存するために必要な事項を定め、これに基づき保存することを目的とする。

(適用範囲)

第2条 この規程は、○○の全ての役員及び従業員(契約社員、パートタイマー及び派遣社員を含む。以下同じ。)に対して適用する。

(管理責任者)

第3条 この規程の管理責任者は、●●とする。

 

第2章 電子取引データの取扱い

(電子取引の範囲)

第4条 当社における電子取引の範囲は以下に掲げる取引とする。

一 EDI取引

二 電子メールを利用した請求書等の授受

三 ■■(クラウドサービス)を利用した請求書等の授受

四 ・・・・・・

記載に当たってはその範囲を具体的に記載してください

(取引データの保存)

第5条 取引先から受領した取引関係情報及び取引相手に提供した取引関係情報のうち、第6条に定めるデータについては、保存サーバ内に△△年間保存する。

(対象となるデータ)

第6条 保存する取引関係情報は以下のとおりとする。

一 見積依頼情報

二 見積回答情報

三 確定注文情報

四 注文請け情報

五 納品情報

六 支払情報

七 ▲▲

(運用体制)

第7条 保存する取引関係情報の管理責任者及び処理責任者は以下のとおりとする。

一 管理責任者 ○○部△△課 課長 XXXX

二 処理責任者 ○○部△△課 係長 XXXX

 

(訂正削除の原則禁止)

第8条 保存する取引関係情報の内容について、訂正及び削除をすることは原則禁止とする。

(訂正削除を行う場合)

第9条 業務処理上やむを得ない理由によって保存する取引関係情報を訂正または削除する場合は、処理責任者は「取引情報訂正・削除申請書」に以下の内容を記載の上、管理責任者へ提出すること。

一 申請日

二 取引伝票番号

三 取引件名

四 取引先名

五 訂正・削除日付

六 訂正・削除内容

七 訂正・削除理由

八 処理担当者名

2 管理責任者は、「取引情報訂正・削除申請書」の提出を受けた場合は、正当な理由があると認める場合のみ承認する。

3 管理責任者は、前項において承認した場合は、処理責任者に対して取引関係情報の訂正及び削除を指示する。

4 処理責任者は、取引関係情報の訂正及び削除を行った場合は、当該取引関係情報に訂正・削除履歴がある旨の情報を付すとともに「取引情報訂正・削除完了報告書」を作成し、当該報告書を管理責任者に提出する。

5 「取引情報訂正・削除申請書」及び「取引情報訂正・削除完了報告書」は、事後に訂正・削除履歴の確認作業が行えるよう整然とした形で、訂正・削除の対象となった取引データの保存期間が満了するまで保存する。

 

附則

(施行)

第10条 この規程は、令和○年○月○日から施行する。

 

国税庁:事務処理規程より

 

法人版のほか、個人事業者版もあります。
このサンプルを参考に自社にあった規程を作成し、運用していくことで真実性の原則の要件を
満たすことができます。