外貨預金の引き出しに伴う為替差損益
現在、円安が進んでおり、1ドル139円台と1998年9月以来およそ24年ぶりの円安水準となって
います。
個人の方でドル建ての外貨預金をされている方は、この機に為替差益を確定させるため外貨預金
から円預金へ移し変えることもあるかと思います。
また、円には換金せず、ドル建てのまま外貨普通預金から外貨定期預金または他の銀行へ移し変
えることもあるかと思います。
これらの場合の為替差益についての取り扱いは、下記の通りとなっています。
- 円へ換金する場合
ドルから円へ換金される場合の為替差益は、雑所得となり、原則、確定申告が必要となります。
例外として、一か所の勤務先から給与の支給を受ける給与所得者の方で年収2,000万円以下の
方は、給与所得および退職所得以外の所得と為替差益の合計が年間20万円以下であれば、確定
申告は不要となっています。 - ドル建てのまま預金を移し替える場合
ドル建てのまま預金を移し替える場合は、為替差益は認識しません。
外貨建預金として預け入れていた元本部分の金銭につき、①同一の金融機関に、②同一の外国
通貨で、③継続して預け入れる場合の預貯金の預入については、外貨建取引に該当しないこと
とされています。
理由としては、同一の外国通貨で預入及び払出が行われる限り、その金額に増減はなく、実質
的には外国通貨を保有し続けている場合と変わりはなく、その都度、為替差損益を把握するの
は実情にそぐわないと考えられるからです。
これと同じように他の銀行へそのままドル建ての預金を移し替える場合も同じ通貨をそのまま
保有しているものとして為替差損益を把握しなくても良いことになっています。