粉飾決算の影響がでるところ ②
粉飾決算は、あるべき姿を歪めているので、どこかで無理が生じます。
今回は、黒字を赤字にするケース(逆粉飾)で主にどこに影響が出るかお伝えします。
【在庫の過少計上】
- 影響が出るところ
原価率に影響が出ます。 - 粉飾をした期
売上が通常とほとんど変わらないのに原価率が劇的に悪化し、粗利が小さくなります。
簿外在庫を抱えることとなります。 - 粉飾をした期以降
簿外在庫が売れた場合は、売上を計上しても、それに対応する在庫が計上されていない
ので、原価率が劇的に改善します。
事業内容は、変わらないのに原価率が数年間で大幅に変動します。
【架空仕入れの計上】
- 影響が出るところ
原価率と買掛金に影響が出ます。 - 粉飾をした期
仕入れが増えるので原価率が悪化し、粗利が小さくなります。
支払うことのない買掛金が決算書に計上されます。 - 粉飾をした期以降
支払うことのない買掛金を決算書から消すために社長借入金など他の勘定科目に振替えるこ
とになります。
【売上を翌期に回す(期ズレ)】
- 影響が出るところ
原価率に影響が出ます。 - 粉飾をした期
売上に対応する仕入のみが計上されるので原価率が悪化し、粗利が小さくなります。 - 粉飾をした期以降
翌期に売上を計上しますが、それに対応する仕入がないので、原価率が改善します。
事業内容は、変わらないのに原価率が前期と当期で大幅に変動します。
粉飾、逆粉飾、どちらも一度行ってしまうと後々まで影響を及ぼすことになります。
粉飾は、決して行ってはいけないものです。