資金繰り⑥ 入金・支払いサイトの見直し
資金繰りのポイントは、入金は早く、支払いは遅くです。
入金サイトが30日を超えるような売上先がある場合は、サイトの交渉や工夫が必要です。
製造業以外の業種は、仕入を除いた支払いの大部分は、事務所家賃と人件費が占めていると
思います。
家賃と人件費の支払サイトは、30日です。
入金サイトが30日を上回ると資金繰りが厳しくなります。
そこでサイトの交渉や工夫が必要となります。
1.入金サイトの交渉
卸売業の会社で、売上代金を受取手形で回収していたものを一部振込入金に変更を交渉
したケースです。
この会社は、受取手形で代金を回収していた得意先が、2社ありました。
うち1社は、ちょうどその得意先の顧問税理士からも支払手形での支払いを減らして振込へ
シフトするようにアドバイスを受けていたタイミングとのことで、すんなり手形から振込へ
変更されました。
入金サイトが90日だったものが、2回に分けて分割で振込入金されるようになり、30日と60日
の入金サイトとなりました。
残る1社は、なかなか難しく、一定額を超える部分のみ振込入金となりました。
全額振込には至りませんでしたが、一部でも早期回収ができることとなりました。
2.支払いサイトの工夫
建設業の下請けをされている会社で、入金サイトが2か月なので、人件費の支払いサイトも2
か月にしているというケースです。
業界独特の入金サイトなのでサイトの交渉をすることは難しく、支払サイトを調整するしか
方法がありません。
ただし、この方法だと、新規に雇用された従業員の給与の入金があるのは、2か月後です。
新規従業員は、当初2か月は無給となり、生活ができなくなるので、会社が給与の前払いをします。
新規に従業員を雇用をするたび立て替え分が発生することとなります。
業界特有の商慣習などでサイトの交渉をすることは難しい場合もありますが、交渉することに
よって開ける道もあります。