資金繰り㉒ 在庫の管理-2

在庫を処分すると赤字になるので処分しきれず、毎年不良在庫を積み上げて行くケースがあります。

銀行から借入がある場合や取引先に大手の会社があり信用調査で赤字にできないという場合です。

どちらも決算後に決算書の提出が必要となるためです。

在庫を処分して赤字になる場合には、理由をきちんと説明することで理解を得るようにします。

赤字を気にするあまり、不良在庫を抱えておく方がよほどリスクがあります。

在庫を抱え続けると、まず、購入に充てた資金の回収ができなくなります。
次に、商品を保管するための倉庫代がかかり、保管の期間が長ければ長いほど時間の経過とともに商品価値はどんどん劣化していきます。
特に、洋服などの季節商品や流行があるのものは、時期を逃すと売ろうにも売れなくなります。
そして、劣化したものや販売時期を逸したものは、廃棄処分せざるを得なくなり廃棄処分料がかかることになります。

以前、赤字にできないという理由で年々在庫が積み上がっていく会社がありました。
商品が大きく重量もあるものでしたので、在庫が増えると共に、保管場所が足らなくなり、1か所から2か所、2か所から3か所と倉庫代も年々増え続けて行きました。
そして、数年後には商品価値は無くなり、廃棄処分をしないといけないけれど廃棄料を払えるだけの資金が無いので、そのまま在庫を抱え続けるという状態が続きました。

不良在庫を一度積み上げてしまうと処分するタイミングを逸してしまい、資金が流出します。

不良在庫はリスクのみを抱えることになるので、資金繰りが悪化するまえに処分することをお勧めします。

 

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