資金繰り㊷　無借金経営を目指して全額返済しない

無借金経営を目指すため、利息を払うのももったいないので資金に余裕があるうちに借入金を全額返済しようと銀行に掛け合ったら、「いま全額返済したら、今後、いっさい融資はしない」と担当者に脅されたということを聞きます。

このケースで気を付けなければならないポイントは、２つあります。

一つ目は、銀行の担当者が言っていることは、脅しではなく、本当のことだということです。
銀行は、全額返済をとても嫌います。
他の銀行から借入れした資金での全額返済であれば尚更嫌がられます。
今後、この銀行と一切お付き合いしないというのであれば、全額返済をしても構いませんが、これからも融資をお願いしたいという可能性が少しでもあるのであれば、全額返済とせず、一部の返済に留めておくことをお勧めします。

二つ目は、他の銀行からの借入もなく、全額返済したあとのリスクです。
今は、資金に余裕があって全額返済できたとしても、その後の資金繰りの目途は付いているのかということです。
資金繰りが厳しくなったときに、全額返済した銀行から今後融資を受けられないとすると、他の銀行に頼るしかなくなります。
他の銀行で過去に融資実績があればいいですが、融資実績がなければ、すぐに融資を受けられるとは限りません。
無借金経営をしていた会社からの融資の申し込みは、特に警戒されるようです。

借入金と借入金の利息は、事業を継続していく上で必要なもので無駄なものではありません。