特定空き家の行政代執行と略式代執行
特定空き家に対する行政執行には、「行政代執行」と「略式代執行」があります。
1.用語の意味
- 行政代執行
所有者が判明している場合に所有者に代わって行政が強制的に撤去などを行うことを
いいます。 - 略式代執行
所有者が特定できない場合に行政が強制的に撤去などを行うこといいます。
2.代執行が行われる流れ
- 行政代執行
特定空き家の指定 → 助言・指導 → 勧告(税負担増) → 命令(過料50万以下
罰金)→ 撤去 - 略式代執行
特定空き家の指定 → 撤去
撤去については、どちらも放置しておくと倒壊などの危険があり、緊急性が高いと判断された
ときにのみ行われます。
3.撤去のためにかかった費用は誰が負担するのか?
- 行政代執行
所有者に請求します。
支払われなければ、財産の差し押さえもあります。 - 略式代執行
撤去後に所有者が特定できれば所有者に請求します。
所有者が特定できなければ、空き家撤去後の土地を売却して撤去費用に充当します。
実際は、土地を売却して撤去費用を回収できるのはほんのわずかだと言われています。
代執行を受けなくても済むようにするためには、維持管理をきちんと行うこと、また、自分の
死後に維持管理を行える人がいない場合は、生前に売却をするなど整理をしておくことが望ま
しいです。