資金繰り㉛ 支払日の設定
商品の仕入代金などの支払日は、末締め翌月末払いなど業種や慣習、契約などで設定されています。
例えば末締め翌月末払いであれば、3月末締めの請求書は、4月上旬から中旬に届き、4月末に支
払います。
たまに売上の入金が末日にもかかわらず、請求書を受け取ったらすぐに支払っている例を見かけま
す。
当然のことながら、売上の入金前に仕入れの代金を支払ってしまうので、その分、資金繰りが厳し
くなります。
資金繰りの基本は、「入金は早く。支払いは遅く。支払日を統一する。」です。
いくら4冊の通帳で入金、支払いを管理していても、請求書を受けとるたびにその都度支払いをし
てしまうと、4冊の通帳で管理している意味がなくなり、資金移動だけでもかなりの手間が生じて
しまいます。
また、取引先によっては、代金を早く払ってくれると割引しますという「仕入割引」制度を導入して
いるところもあります。
銀行預金の利率と割引率を比較して、割引率の方が高ければ有利かもしれませんが、早く支払うこと
により資金繰りが厳しくなってしまっては元も子もありません。
それと、ごく一部ですが、「支払いを遅く」ということで、請求書到達日基準を採用しているところ
があります。
これは、上記の例でいうと、3月末締めの請求書は、4月上旬から中旬に届くことから、この請求書
が届いた月=4月を基準として翌月末の5月末を支払期限にするというものです。
相手があることなので、相手の了承を得ることが大前提となりますが、これが認められると3月に仕
入れたものの代金は、5月末までに支払うことになり、2ヶ月の余裕ができることになります。
基本的なことですが、入金があってこその支払いです。