資金繰り㉘ 役員借入金②

会社の資金繰りが厳しいと役員個人の資金を会社に貸し付けるケースが多くなります。

そこで「役員借入金」を計上する際に気を付けておきたい点をお伝えします。

①会社へ貸し付けた資金はどこから出てきたものか?
②なかなか返済されずに借入金が残っている場合はどうなるのか?

という点です。

今回は、②の点についてお伝えします。

会社へ貸し付けた資金が役員へ返済されず、ずっと残ったまま、または、年々増えていると
いったケースが多くみられます。

役員借入金が残ったまま役員が死亡すると、この役員借入金は、会社に対して貸し付けたお金
(貸付金)として役員の相続財産となります。

ずっと返済されないし、会社も赤字続きだから、貸付金の価値なんて無いのでは?と考えら
れがちですが、会社が存続している以上は、返済不能とは言い切れず、役員借入金全額が相
続財産となります。

役員が亡くなった後ではどうすることもできないので、生前のうちに少しでも減らしておく
ことが必要となります。

役員借入金を減らす方法は、いくつかありますが、手堅く進めていけるのは、やはり、資金
に余裕があるときに少しずつでも返済していくことです。

資金に余裕がない場合は、役員報酬額を減らし、手取りが減った分を役員借入金の返済で賄
うこともできます。

一朝一夕でできることではなく、時間がかかることなので、早めに取り組むことが大切です。

資金繰り目次へ