資金繰り⑨ 資金の管理
資金繰りは、シンプルかつ明瞭に資金の流れを定型化させることであり、そのためには現金
の取り扱いを少なくすることや支払い手段の整理が必要となります。
これは、資金繰りだけでなく、ニュースでも度々報じられている会社のお金の使い込みなどの
不正流用を防止することにも繋がります。
資金の流れが定型化しておらず、現金の取り扱いが多い「どんぶり勘定」で経営をされている
場合は、往々にして資金の使い込みが発生している確率が高いです。
経理の方が元銀行員だったからと信用していたら資金を流用されていた、現金を保管していたら
現金が消えていた、手付金や売上金を現金で回収していたら、そのまま持って行かれた、在庫を
横流しされていたなど様々なケースがあり、税務調査で発覚するケースもあります。
特に、税務調査で発覚した場合は、かなりの痛手になります。
不正流用の事実を知らなかったとしても、「所得隠し」に該当し、故意による「仮装、隠蔽」と
して重加算税の対象となる可能性があります。
重加算税は、税率の高さもさることながら、調査記録に必ず記載されます。
会社としては、従業員に不正流用された挙句に修正申告のうえ重加算税も支払わなければならい
といった踏んだり蹴ったりの結果となります。
誰でも現金に触れられる機会があったり、通帳を見ないまま誰かに任せっきりにしていると不正
流用の発生の確率は格段に上がります。
そうならないためにも、現金の取り扱いは極力なくし、振込みまたはクレジットカードでの代金回
収や支払手段の整理など通帳による資金の管理をすることが資金繰りだけでなく不正流用防止のた
めにも有効です。