資金繰り㊼ 資本金が少ない場合のリスク

会社法上は、資本金が1円でも会社が設立できるようになっています。
ただし、少ない資本金で会社を設立すると下記の問題が生じます。

  1. 早々に資金不足に陥いる
    当初想定してた売上が立たない場合は、早晩資金不足に陥ります。
    法人成りのように個人事業を引き継いで法人となった場合など売上が確保されている場合を除
    いて、創業後すぐに売上が立つということはなかなか難しいです。
    営業開始から少なくとも6ヶ月間は、売上が立たなくても仕入や家賃などの費用を支払えるだ
    けの資金が必要です。
  2. 創業融資を受ける場合に不利になる
    資本金の大小に関わらず、創業時に創業融資を受けることを検討します。
    創業時は売上を立てることも重要ですが、資金を確保することがより重要になります。
    創業融資は、日本政策金融公庫と自治体の制度融資がありますが、まずは、日本政策金融公庫
    の創業融資を検討します。
    日本政策金融公庫の創業融資は、融資申し込み額の1/10の資本金が必要とされています。
    (※実際には、1/10ではなくもっと必要です。)
    これは、資本金が少ないと融資の額も少なくなるということです。
  3. 債務超過に陥る可能性が高くなる
    資本金が少なく、想定よりも売上を立てることができず赤字になり、金融機関や創業者からの
    借入金が多くある場合、債務超過(貸借対照表の純資産の部がマイナス)になります。
    このようなときに資本金が多いと債務超過になるリスクを少しでも回避することができます。

特に創業時は、売上を立てることだけに集中しがちですが、資金を確保することがより重要です。
資金が無いと売上を立てることもできません。

商法では有限会社の最低資本金が300万円と決められていました。
仕入や固定費がさほどかからない業種以外では、資本金300万円はひとつの目安となるかと思います。